しく読みとらないと誤差ができる。斜め横から読み取るとそれだけ方位誤差を生じる。
(4)船首輝線による誤差
空中線の取付け不良などにより、物標の映像の方位に誤差を生じることがある。例えば、船首輝線は正しく方位0度を指しているが、空中線の取付けが悪いために、実際には正しく船の針路方向を指していない場合がある。この場合には、船首方位にある正確な目標又は方位を正確に測定できる物標を選んで、これがスコープ上で正しい方位に現れているかどうかをチェックする必要がある。
15)船の傾斜による誤差
船が傾斜したときは図2・6に示すようにスコープ上のエコーの方位に誤差を生ずる。特に小型船では、船の動揺により空中線は複雑な波状の弧を描くため、一定速度で回転する空中船も水平面でみると不規則な回転をしていることになり、スコープ上に方位誤差を生ずる。この場合の最大誤差は、船体の傾斜角10度、20度、30度に対してそれぞれ0.4度、1.8度、4.2度であり、最大誤差を生ずる方位は、大略4偶点方向である。
船の縦の傾斜角をψ、横傾斜角をθとしたときのそれぞれの関係及び方位誤差(θ’−θ)は次のように表される。
図2・6 船の傾斜によるレーダーの方位誤差
O:船の中心
T:物標
OX:船の水平時の船首方向
OY:船の水平時の左舷方向
OY1:船の水平時の右舷方向
OZ:船の水平時の上方向
船首が下方へ角ψの縦傾斜をし、さらに左舷へ角θの横傾斜をしたとき、船首方向は0X’、右舷方向はOY1’、上方向はOZ’となる。船が水平のときはスキャナは0Zを軸として回転して物標Tを探知するので、船首からの方位はXB=θとして測定され、上述の傾斜
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